イタリアセミナー 参加者の感想

2024年イタリアセミナーについての様子はInstagramに掲載しています。


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早田範恵さん

『KMS イタリア合宿』

初上陸のヨーロッパ大陸。イタリアの雰囲気はとても明るく、おおらかで、人々の笑顔が溢れ、とても温かく感じました。

 今回の合宿においては、たくさんの偉大な方々との出会いを繋いでいただいた事、先生方には心から感謝を申し上げます。

 とてもcharmingで魅力的なEnrica先生からは、彼女の大きな明るいEnergyを感じながら、自分の中から声を出すということを特訓し、その試行錯誤の中で、歌うことの楽しさ、音楽をアウトプットする喜びを再確認しました。

 ピアノのレッスンについては、恵子先生、矢澤先生のみならず、歩く音楽辞典の如きAnna先生からのレクチャー・アドバイスを受けられたことはとても有り難く存じます。音楽のバックグラウンドの理解の必要性も感じました。

 成果発表会では、年齢や背景、言語の異なる人々と音楽の時間を共有し、各個人の中に存在する音楽の普遍性を感じました。また、自分のアウトプットした音楽に対していただいた聞き手側からのリアクションにより、自分が伝えようと意図したことが幾らかでも聞き手に伝わっているということを感じることができました。

 その他、violino工房の見学や、訪れた土地の文化についての探索等、たくさんの有難い経験をしました。

 私の中にある音楽、これは、私の日々の様々な活動の原動力となっています。この音楽というものが、どのようなものであるのか、どのように向き合っていったら良いのか、そういった本質的な部分を、今回の合宿で感じることができ、考え、これからさらに学んでいくきっかけとなったと思います。

 私の一生の中で、この小さな脳みそで学べることは、きっと小さな一欠片であると思いますが、命がある限り、私の中にある「音楽」を磨き続けていきたいと思います。

 最後に、今回の合宿に参加させていただき、私達生徒のためにご尽力いただき、先生方にはあらためて感謝を申し上げます。音楽の勉強のみならず、私自身の価値観・考え方についての革命的な出来事になったと感じます。また、一緒に合宿に参加したKMSの皆さまのおかげで、非常に充実した、楽しい時を過ごすことができました。さらに、家族の協力なしには参加することはできませんでした。全ての出会いに感謝いたします。



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梅沢寿美代さん

『鎌倉音楽サロン イタリア研修に参加して』

まず初めに、今回のイタリア音楽研修を企画してくださった、恵子先生、矢澤先生、そしてイタリアで特別講師としてレッスンをしてくださったアンナ先生に心から感謝を申し上げます。

2020 年に何かに背中を押されるように突然ピアノをもう一度弾きたいと思い、 ピアノを探し家に迎えました。そしてその翌年、恵子先生にお願いし、レッスンを始めました。

約 35 年のブランク、右手も思い通りにならず、譜面の読み方も 覚えていないような再スタートでした。一曲を弾くのに随分と時間がかかりますが、それでもピアノを弾く時間はとても幸せです。そんなどアマチュアな私にもイタリアでピアノ研修に参加しませんかと声をかけてくださった時は驚きました。でも、クラシック音楽の本場イタリアの音を聞いてみたいという好奇心が 勝って手を挙げて来てしまいました。クレモナに。


初日と二日目は矢澤先生による個別レッスン。レッスンの場所が素晴らしい教会でイタリアに来たことを実感。音の響き方、聴こえ方が初めての感覚でした。 自分の出した音が反響して聞こえてくるので、音を聞いていると何だかいつもの感じとずれてしまう、、弾いている指の方に意識を向けるようにというアドバイスはとても印象深かったです。 

矢澤先生は度々、あなたはこれをどう弾きたいですか?どうしたいですか?と いう問いかけをされました。新鮮でした。さて、私はどう弾きたいのだろうか? 正しく間違わずに弾くことに気を取られて、問題を解決するための工夫やトライを自らしていないのかもしれないと気づかされると同時に、それを考えるための譜面を読む力、基礎の知識や音楽史の学び等々、判断できる基準になるものが足りていないなということも感じました。

今回のセミナーを通して私の大きな学びは、一音一音の音の大切さ。そして和音の大切さ。それを毎日体験できたことです。 きちんと音を出すためには、指をどのように動かすかを考える、自分の手指を観察し最適箇所をちゃんと自分で探すことが大切だということ。そして正しく弾けたと感じたらそれを正しく練習する。

鎌倉で恵子先生から学んできたことが、ここで融合していく感覚がありました。

3日目は Piacenza で Anna Sorrento 先生によるマスターレッスン。 アンナ先生のバッハのお話はとても興味深いものでした。先生のお話を聞いていると不思議と曲のイメージが浮かんでくるようでワクワクしました。 個人レッスンでは、左手バスは単なる伴奏ではない、全体を支えている大切なものだからメロディーと共にしっかり歌わなければならない。そして、私が聴けていないメロディーを側で歌いながら伝えてくださいました。理論と体感が一致していく貴重な時間でした。他にも様々なお話、助言をくださいました。とても穏やかで聡明なお人柄で、音楽への尽きることのない愛と探究心を感じました。レッスンを受けることができて本当に幸せな時間でした。

またピアツェンツァの2日間では、矢澤先生が現地の生徒の方に声をかけてくださっていて、一緒にお互いに演奏を聴きあえたことも嬉しかったです。 現地の皆さんも同じように、他の仕事や勉強をしながら音楽を続けていることを知り、音楽の存在の豊かさ、大切さ、のようなことに思いを巡らせました。

研修成果発表では、緊張しましたが、3日間教わったことを大事に演奏しようと 臨みました。アンナ先生も小さな事故と仰っていましたが、そんなこともありつつも、最後まで一音を大切に弾くことにトライしました。 皆さんの演奏は日々変化をしているのが感じられて、聴いていて心を打たれました。この素晴らしい発表の場を設けてくださった先生方に、再び心から感謝申し上げます。


先生の多くのお言葉の中で印象に残っているものの一つが、「発音」のお話です。 一音一音をきちんと発音して、その正しく発音された音が連なり正しいメロデ ィーになるということ。私が研究している「Silent Way」という語学学習メソッ ドと重なるところがあります。言語も正しい発音をする為には、自分自身で口の 中を観察して正しい舌のポジションを探すことから始めます。正しく発音する為にどうすべきか気づくのは学び手本人。そうか、学び方のアプローチはピアノも同じだったんだと気付いた時に、ピアノが今までよりも自分に近く感じられました。嬉しい瞬間でした。

今回、ヴァイオリン工房の見学という素晴らしい機会をいただきました。

どちらの工房でも、様々なお話と制作過程を拝見でき、今まで知らなかった世界に触 れることができました。とても興味深い時間でした。忙しい中お時間を割いてく ださった高橋様、マルコ氏・陽子様ご夫妻に感謝致します。

研修後のご褒美、ヴェローナでのアレーナ劇場でのオペラ鑑賞、ストレーザでのコンサートも素晴らしい経験でした。初めてのイタリア旅行が音楽の旅であったことは、私には最高の出来事でした。本当に有難うございました。


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小林暁美さん

『鎌倉音楽サロン イタリアセミナー』

イタリアでピアノのレッスンを受けるという思ってもみなかったことが実現し、そして終わりました。

5年ぶりの海外、当然のことながら5歳年を取っています。出発前、体調も今一つで、少し不安もありました。けれども滞在中はよく眠れましたし、体調も良く、本当に良い状態で過ごすことができました。

8月24日、レッスンが始まりました。

会場はなんとクレモナの教会です。

建物のすばらしさはもとより、その響きの美しさにも圧倒されました。

矢澤先生にレッスンを受けるのは昨年秋の協奏曲セミナー以来です。

前回同様、大変熱心に、”もう一度弾いてみる?”と何度もおっしゃってくださり、しっかり頭にも指にもそして心にも覚えさせることができたのではと思います。

その日習ったことをホテルへ帰ってから、テーブルの上に布を置いてそこで音無し練習をしてみました。

長い間ピアノを習ってきましたが、こんなことをしたのは初めてのことで実は自分でも驚きました。と同時にそれまでそういう努力をしてこなかった自分を恥ずかしくも思ったのでした。

 25日、この日も矢澤先生のレッスンを受けました。果たして昨夜の練習の効果はあったでしょうか?

 26日、クレモナからピアツェンツアへバスで移動。

ここではイタリア人のアンナ先生にご指導いただきました。

アンナ先生はお会いした瞬間から温かいお人柄が伝わってきてそれまでの緊張がほんの少し和らぎました。

シューマンの幻想曲についての解釈を聞かれ、思っていることをお話ししました。先生と思いが同じであったことをとても嬉しく思いました。

 27日は同じくピアツェンツァで成果発表会。

今回のセミナーでご教示いただいたことは100%とはとてもいえませんが、私なりに表現できたのではないかと思います。

 28日はクレモナの教会で録画撮りし、ピアノセミナーは終わりました。

こんなに素晴らしい場所でピアノを弾けたことは本当に幸せでした。

長い間ピアノを続けてきてよかったと心から思いました。

アンナ先生、矢澤先生、お二人の素晴らしい先生のレッスンを受けることができたこのセミナー、私にとって一生の思い出となる事でしょう。そしてこれからの大きな励みにもなることと思います。

 この後は、ヴァイオリン工房の見学や、ヴェローナのコロセウムでのオペラ、ミラノで”最後の晩餐”の見学、ストレーザでのコンサート・・・と観光も忘れず、本当に素晴らしい旅となりました。

企画から滞在中のすべてを助けてくださった矢澤先生、恵子先生、本当に本当にありがとうございました。

そしてご一緒した皆様の温かく優しいお心遣いのおかげで、このように素晴らしい旅ができましたこと、心より感謝いたします。

ありがとうございました。



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⚫︎梅沢莉菜さん

『イタリア研修感想文』

今回このイタリア研修に参加することができ、忘れられない特別な経験ができました。1年半ほどレッスンをお休みしていたため正直不安が大きかったのですが、それすら忘れてしまうほど、刺激的で学びの多い充実した時間でした。

矢澤先生のレッスンでは、曲に自分がどんなイメージを持っているかを改めて考える機会をいただき、それをどう表現するかや演奏する上で何が一番重要かを教えていただきました。アンナ先生のレッスンでは本来のサラバンドとはどのようなイメージなのかを説明していただき、いつもと違う視点から曲を見つめ直すことができました。

それとともにサラバンドを演奏する際、二拍目にアクセントを持ってくることやテンポアップして弾いても大丈夫であることをご指導いただき、新たな学びが多くあり新鮮な気持ちで演奏が出来ました。

今までの自分は譜面を追うことに精一杯で曲に込められた意味であったり、本質的な部分を理解するまでは至ってなかったのだなと実感しました。

譜面を読み込んで正確に完璧に弾くことはもちろん重要ですが、それだけでなくその曲の魅力を最大限引き出す弾き方を自分なりに見つけていくことも必要であることがわかりました。

今後のレッスンの時、そして日常生活でも今回学んだことを存分に発揮していきたいと思っています。次もまた機会があれば研修に参加させていただきたいです。


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梅澤里香さん


 「大学生になったらイタリアに行ってみたい!」と幾度となく話していた娘ですが、その願いが「音楽セミナーに参加」というあまりに素晴らしい体験として実現し、イタリア滞在中は幸せを噛み締める日々でした。

振り返りますと、一瞬一瞬が宝物のような時間だったことと、この先の人生の糧になる経験をさせて頂けましたことに、恵子先生、矢澤先生、アンナ先生、ご一緒させて頂きました皆様には深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

 2年程レッスンをお休みしておりましたので、「弾けるのかな?」と莉菜は不安を口にしながらも、憧れのイタリアに行ける喜びと、好きな曲を弾く嬉しさもあり、出発前の準備はとても楽しそうでした。

 クレモナの教会の扉を開けた瞬間、その佇まいに圧倒されましたが、更に教会の中に入りました時の想像を超えた美しさと荘厳さと空気感に感動で心が震えました。今回のセミナーで、音楽が育まれて来た歴史、環境を全身で感じる機会に恵まれ、音楽に対する視野も広がりました。

 娘にも目には見えない沢山の学びがあったことと思います。

先生方から愛情溢れるお言葉を頂き、温かくエネルギッシュなお人柄(心)に触れたことは、娘の人生の中の特別に素敵な出会いであり、心に大きく影響するのでは!と思っています。

 アンナ先生に初めてご指導頂いた夜は、眠る前まで楽譜と真剣に向き合って、リズムを何度も確認していた様子をとても嬉しく思いました。

発表会では、皆様の表現が素晴らしくて、忘れる事が出来ない最高に贅沢な1日でした。

 今回、私は聴講するだけでしたので、心苦しい気持ちでおりましたが、毎日皆様の演奏が豊かに変化していく過程を目の当たりにして、素晴らしい瞬間に立ち会えた事に感謝でいっぱいです。皆様がとても輝いていらして素晴らしかったです。

 そして、イタリアの豊かさに様々な場面で触れ、日本を改めて俯瞰して考える機会にもなりました。

セミナーに参加させて頂きまして、心より感謝致します。

 また、皆様の演奏を拝聴させて頂く機会を楽しみにしております。

矢澤先生との再会も心待ちにしています。

恵子先生、矢澤先生、ありがとうございました。


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研修を終えて


 2024年夏、コロナ禍も落ち着き、やっとヨーロッパに目を向けられる様になりました。

音楽を学ぶ者にとって、本場に行き、レッスンを受け、演奏することは、この上なく得難い経験です。

修了コンサートでは、皆さんの演奏を聴きながら涙が溢れてきました。

イタリアの慈愛と恵、ヨーロッパの成熟した精神を集約した様な素晴らしいチームに囲まれて、音楽に向き合い、学び、音とともに豊かに花開いて行く姿。

成長と簡単に言葉にするには、あまりにも多くの光があるその美しさは、指導する側にとっても幸福を感じる瞬間でした。

芸術とは何か。その一つの答えを、自信を持って大切にし続けてほしいと願います。

温かく受け入れて下さったイタリアの関係者の方々、矢澤先生、アンナ先生に、心から感謝申し上げます。

     鎌倉音楽サロン(KMS) 矢野恵子

  





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